日本財団 図書館


 

−ネイチャースクールの位置づけ−
ノルウェーでは、次回改正される義務教育の新しいナショナルカリキュラムにおいて、全ての子供は義務教育期間中にネイチャースクールで1週間学習する機会を持つのが望ましいという内容がもりこまれることとなっている。ただしナショナルカリキュラムに記載されるが義務にはならない。これはネイチャースクールの宿泊や食事にかかる費用は個人負担になる等の理由によるものである。

 

a. ルンデネイチャースクール
−自然環境−
ルンデネイチャースクールはノルウェーの西海岸の小さな島にある自然保護区の中に設置されている私立のネイチャースクールである。島の自然環境は、ノルウェー沿岸部を一般的に代表するとともに、この地方独特の特徴も備えている場所である。

 

−ルンデネイチャースクールの目標−
このネイチャースクールの目標は、新しい環境に関する知識を涵養し、ルンデ島を人間も含めたあらゆる生物が活動するビオトープとして観察する機会を子供たちに与えることである。また、子供たちに自然体験をさせ、自然との関わり方を発展させ、自然の中での人間の位置を把握し、自然が人間に対して持つ意味を理解し、自然の汚染、自然保護及び自然管理に対する個人の責任に関する理解を深めるように、適切な情報と知識を与える。平易に言い換えれば、自然の中に子供を連れてきて、自然を体験的に理解させ、自然を大切にするきっかけをつくることがルンデネイチャースクールの目標である。

 

−スタッフ−
ノルウェーのネイチャースクールも他の2国と同様に、ネイチャースクールに専従のスタッフがいる。これらのスタッフは地方自治体の職員であり、国の補助金を地方自治体が受けて給与を支払っている。

 

−教育内容−
ルンデネイチャースクールにおける指導内容については、第5章で具体的に紹介するので、ここでは簡単に触れておく。子供たちは、基本的に1週間、日曜日から金曜日までネイチャースクールに泊まり込みで学習する。島の歴史や動物の生態、漁業に関してなど毎日異なるプログラムを行っている。鳥の生態を学ぶ日には、午前中に剥製などを用いた解説を受けた後、午後から実際に野外にでて鳥の観察を行う。ここで注意を払っていることは、知識と体験とのバランスをとることである。また、1週間の間に地域的なことから地球的な規模の環境問題にまでふれるようにしている。ここでは、特に環境問題が自分と結

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION